運河の街、革命の冬(江蘇・高郵市)

揚州駅 揚州駅の付近はがらんどうだった。冬の乾風は無数の塵を吹き飛ばしており、開発中の駅前広場は、その姿を我々の眼前に晒していたからである。 この日我々は高郵を目指すためバスに乗らなければならなかった。発着のバスターミナルが揚州駅に併設され…

水路に沈む街(浙江・新塍鎮)

その日の朝について、私はあまりに覚えていることが少ない。杭州駅の雑踏と、過熱したかのようにグニャグニャに変形した容器に盛り込まれた、大して美味くもない駅の弁当を待合室で食らっていた記憶がおぼろげに残るだけである。中国の旅も四日目、江蘇省に…